中高年ビギナーがまず注意すべきは、柔軟性と左右差

2017年08月18日 20:52

普段の生活に支障がなくても、それだけでカラダがちゃんとしているとはいえないというのを、サイクリングを始めてからの4年ほどの間、痛感してきた。

中年以降でスポーツサイクルに目覚めた方の中には、以前のσ(^_^)同様に、自分のカラダがどれくらいひどい状態か自覚していないひともいるかもしれないので、ごく個人的な経験の範囲内ではあるがアドバイスしておきたい。

ふだんデスクワークばかりでとくに運動してこなかった人は要注意だ。

これから述べるのは、速く走るトレーニングの前に、カラダがちゃんと動くかチェックし調整しようということだ。
σ(^_^)の経験からいってカラダの柔軟性があれば、平坦路で30km/hを維持して5分や10分走り続けるのは(かなりの向かい風でないかぎり)それほど難しくない。逆にかなりがんばらないと30km/hを維持できない、という人はカラダがどこかおかしいと思ってもらっていいと思う。




細かくいえばもっとあるのだろうが、とりあえず経験上特に気にしてきたところ(要するに個人的にひどかったところ)をピックアップしてみよう。
和式トイレでしゃがめない(足首が堅い)

和式トイレでしゃがむのがつらく踵が浮いてしまう人は、クランク上死点付近の通過を楽にするためサドル高を上げがちだと思う。
だがサドル高を上げると,体重をペダルに載せるのが(サドル高が低め場合よりも)難しくなり、太腿の筋肉で踏むペダリングになりやすい。すなわち疲れやすい。
筋力があるうちは速く走れるので気にしていないかもしれないが、先々衰えてきたときに注意が必要だろう。
昔のようなスピードを出そうとがんばってカラダを痛めることのないように気をつけたい。

また、左右の足首で可動域に差があると、踏むタイミングが左右で揃わない、力を入れる方向がそろわない、といったズレが積み重なってペダリングのムダになる。

σ(^_^)の場合、右足首が極端に堅くて、ケイデンスがあがらない(左はもっと回転を上げられる)状態が続いていたので、真っ先に足首の改善に着手し、背屈についてはかなりよくなったが、左右の動きについてはまだ堅さが残っている。


ふくらはぎが堅い

足首が堅い場合は、たぶんセットでふくらはぎも堅い。
その場合、無意識のうちにペダルを踏んづけているので、下死点付近でのペダリングロス(踏みすぎ)が多いはず。

これがやっかいなのは、自覚症状がまったくないところ。
ムダに踏んでいるという意識がないので、当たり前と思っているその状態そのものがロスを起こしているのに気づかない。
足首がやらかくなってきて初めて、実はロスがあったのだと気づくのだ。
だから「ふだんムダな踏み方はしていない」と思い込むのは禁物である。

また、ふくらはぎは第二の心臓などとよばれるように下半身の血液を心臓に送り返す役割をしているといわれる。
ふくらはぎが堅いとこれがうまく働かず結果的に心臓の負担が大きくなっているので、単に心肺機能を鍛えるだけでなく、ふくらはぎも柔らかくしたほうが効率がよいと思われる。

ふくらはぎががっちりして筋肉質と思っている人も、一回そこから疑ったほうがいい。
ペダルをがんがん踏んづけることでふくらはぎを緊張させた結果堅くなっているだけかもしれないから。

脱力ペダリングでは、ふくらはぎの筋肉を緊張させるほど踏んづける必要はなく、むしろペダリングしていくうちに自然とほぐれてくる。脚はしなやかにしてぶらぶら振っているくらいの感覚でいいはずだ。

ついでにいうと、最近ふくらはぎに張りを感じるときは、同時に足の裏(足底筋膜?)もこわばっている感じがする。併せてチェックしておくのもいいかもしれない。


脚が上がらない(股関節の屈曲・伸展が堅い)

脱力ペダリングでは腸腰筋で脚を持ち上げて、脚の重みをペダルに載せて回すのが基本。
このとき、太腿周りの筋肉が堅いと、脚を持ち上げる動作のブレーキとなる。

ここで注意したいのが、単に可動域の大きさだけをみていてはダメだということ。
股関節の屈曲度合いをチェックする場合、まっすぐ立って膝を上げるのがもっとも簡単だが、この場合、膝は90°以上の角度まで持ち上げられてあたりまえ(というか最低ライン)。90°以上あがるぞ、という人もそこれだけで満足していてはもったいない。

ゆっくりと脚を上げていってムリなくあがる(あるていどの可動域がある)のと、その可動域を使って80~90rpmで何時間も走り続けられるというのではまったくレベルが違う。
ペダルシャフトの回転が渋いなどと気にするのと同様に、体の動きについても滑らかさを追求すべきだろう。

σ(^_^)の場合、立位体前屈で手のひらがべったり床につくまでにはなったのだが、最近ではこれでもまだまだ柔軟性が足りないと感じている。
というのも、床に掌がつくとはいえ、尻のほうはあまり高く持ち上がっておらず、後ろへつきだした状態だから。
これは臀筋やハムストリングスにまだ堅さが残っているせい。もっと柔らかくなれば尻がまっすぐ上のほうを向くはずだ。

太腿周りが柔らかくなれば、その分脚がしなやかに動いて、ムダな筋力を使わずに走れるので、持久力増強、心肺への負担軽減に加えて脚が攣るといったリスクも軽減できるはず。


立ったまま膝を上げたとき、左右の脚の高さが見た目にも違うという人は論外。可動域の違いが見た目でわかるようでは、ライド全体でのペダリングロスは膨大なものになっている。

ハムストリングスを伸ばすにはまずジャックナイフストレッチが手っ取り早い。ただし、つい先日のエントリにも書いたとおりジャックナイフストレッチではフルに伸ばしきれないところもある。個人的にはスタティックストレッチは重視していないので、簡単にやっておいてあとは、軽い運動で緩めていく。スローペースでポタリングしているだけでもいい。
ただ走っているだけではもったいないので、やや重めのギアをなるべく力を使わずに回す方法をいろいろ探していけば、脱力ペダリングそのもののトレーニングにもなる。


開脚ができない

股関節の屈曲・伸展だけでなく、外旋・内旋、内転・外転なども要注意。
要するにしっかり開脚ができることが重要だ。

σ(^_^)の場合、ハムストリングスや臀筋がある程度柔らかくなったあと、こんどは太腿外側の筋肉が張ってブレーキになっていることがわかってきた。

ライド中の例でいうと、緩い下りで脚をくるくる回しているようなシーンで太腿の外側だけ張ってくることがあり、感覚的な言い方をすると、常にブレーキを引きずりながら走っている感じだ。この部分が柔らかくなればもっとケイデンスを維持しやすくなるはずと感じている。

開脚の柔軟性をチェックする場合は、足の裏どうしを合せて座るヨガの合踵(合蹠)のポーズをやっている。
両足の裏を合せて座ったとき床に太腿全体がべったり着くくらい柔らかいのが理想だが、σ(^_^)の場合は膝がかなり高く浮いてしまう。
握り拳一個分以上は優に浮いていて、特に右側の方は一個半分ぐらい浮いてしまう。

合踵のポーズで太腿が床に着かないということは、股関節が外旋していないうえに骨盤を引っ張ることで後傾気味になっている。
骨盤の後傾はおじぎ乗りでは厳禁なので、おじぎ乗りにトライしている人で股関節が堅い場合は本来のパフォーマンスが出せていない可能性があることも留意しておいたほうがよいかと思う(これもカラダが柔らかくなってみないと本当のことはわからないのかもしれない)。

立位での開脚が特に苦手で、見た目70°ぐらいしか開かなかったので、最初のうちはバランスボールにただ座るというトレーニングをやっていた。座ったままTVを見たり本を読むだけなのだが、微妙に揺れているので自然と股関節を使うようになる。
そのうち少し緩んできたら、合踵のポーズをやったり開脚ストレッチを採り入れたりして開脚の度合いを少しずつ大きくしていく。
このへんはYoutubeにどっさり動画があるので、ムリなく採り入れられるものから参考にしていけばよい。

こうして開脚のためのトレーニングを続けていたら、こんどは大腿方形筋付近と思われるあたりが疲労するようになってきた。
外転や外旋については比較的小さな筋肉がたくさん関わっているようなので、総合的に緩めていく必要があるだろう。

ついでにいうと、脚をどれくらい開けるかは、コーナリングにも関係する。
カーブで内側の脚を開くことで重心を微調整できれば、コーナリングの自由度がちょっとだけあがる。


鼠蹊部が堅い
走っているとたまに鼠蹊部に堅さを感じることがある。
デスクワーク主体などで腸腰筋をあまり使っていない人は腸腰筋が堅くなっていることがあるようなので、ここも軽く押してほぐしてやる。

胸郭が堅い

フィットネスが主目的のサイクリングであれば、体幹の筋力をつけるようなトレーニングは当面不要で、むしろ骨格の歪みをとったり胸郭の柔軟性を高めることを優先したほうがいいと思う。
なお、ざっくり「胸郭」といっているが広背筋や菱形筋など背中側の筋肉も含むと思ってもらっていい。

脱力ペダリングであっても体幹がしっかりしていたほうがいいのは間違いないが、余計な筋肉を付けて体重を増やしてしまうより先に、体幹をしっかりさせるフォームや呼吸法を学ぶ方が先決。

特に胸郭の柔軟性は、呼吸に影響する。平常時には横隔膜の動きで充分呼吸しているが、立ち漕ぎのように常時腹圧を掛けて体幹を安定させた状態では、胸郭の動きまで動員したほうがより多く空気を採り入れられる。


肩胛骨周りが堅い

右足首とともにσ(^_^)の大きな弱点だったのが右肩胛骨周りの堅さ。
右肩だけ極端に巻き肩気味で、デスクワークしていても肩から肘が張ってくるし、ライド中に後方を振り返るのにも苦労するほど肩が引けないという、ひどい状態だった。

左右肩胛骨の可動域の違いが大問題だと気づいたのは、登坂練習で立ち漕ぎをしている最中。
バイクを左右に振ったときリズムに乗れないですぐに失速するのに悩んでいたのだが、その原因バイクを振ってから中央に戻るときの動きの差。右へ振った後の戻りが滑らかでなく、どうしてもよろよろしてしまう。
登りのスピードを維持するにはこの左右差を解消する必要があり、そのためには右肩胛骨の可動域を左と同等にする必要があると感じた。

また、八の字旋回やUターンで右方向がどうしても大回りになる癖があったのだが、これも右へ首が回らないため視線を送れなかったり、肩胛骨を後ろへ引くことができないためと判断した。

ついでにいうと、右肩胛骨周りが堅いということは連続している胸郭周りや体側の筋肉も自然と堅くなっているということで、σ(^_^)の場合、右半身がガチガチだったわけである。

右の肩胛骨が巻き肩気味ということは前に出ているわけで、そこから両腕を前に伸ばすと右の指先のほうが先へ伸びるはずだ。つまり左右の腕の長さが見かけ上異なる。
ところが、漫然とハンドルを握ったときは特に違和感を感じないので乗車姿勢をじっくり観察してみたら、右腕は肘がじゃっかん曲がり気味なのに対し、左腕のほうは肘を伸ばしていた。それが当たり前だと錯覚したままずっと乗っていた訳だ。
肘の曲がり方が違えばハンドルへの荷重も当然違ってくるので、知らないうちに立ち漕ぎやコーナリングの癖がついていったと思われる。

これに気づいてトレーニングを続けた結果、今では、右肩胛骨が浮いて裏側に指先が入るようになったし、背中に手を回して指先をタッチするのも、左手上、右手上のどちらでもできるようになった。ただし、左手が上のほうが得意で指先同士を引っかけられるのに対し、右手が上の場合は指先が届くくらいまでしかいかない。

腕の長さをきちんと計ってハンドルをフィッティングしたのにいまいちしっくり来ないという人は、骨格のほうが歪んでいないかチェックしてみるのもいいかと思う。


ちなみに肩胛骨の動きで左右差が気になる場合は、フィットネス用のジムボールなどを両手で持って胸の前に構え、なるべくボールの中心をぶらさないようにイメージしつつぐるぐると両手でこねくり回してみるといい。
どこか堅いところがあるとそこで動きがぎくしゃくして、中心がぶれる。
ジムボールがなくても、パントマイムの練習のようにまるでそこにボールがあるかのように動かせれば、左右の可動域が揃っている。

肩胛骨の動きが悪い場合、むしろ胸の前側の前鋸筋や小胸筋のほうが堅くなっている場合もあるので注意しよう。





改めて念を押しておくが、ここに書いたのは、まずごく普通の動ける体を維持するということ。
世に出まわっている雑誌や書籍で紹介されているロードバイク向けのトレーニングよりはかなり下の超基礎レベル。筋力トレーニングとかはいっさい必要なく、もっぱら柔軟性の問題である。

柔軟性を無視してパワー(筋肉の出力)ばかり追いかけていると故障のもとだと思うし、柔軟性を高めるだけでサイクリングをムリなく楽しめるようになると考えている。

心肺能力については、走った距離や運動強度に応じて勝手についてくるので、フィットネス目的でサイクリングする人は特に気にしなくていいと思う。もちろんある程度の頻度で走る必要はあるのだが。
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